コメンテータ
ランキング
HELP

[コメント] ゲンと不動明王(1961/日)

最良の「児童映画」のひとつだろう。男衆はだいたいいつものメンツながら、ゲンの妹いずみ(坂部尚子)や焼酎屋の娘(浜美枝)の輝きが素晴らしい。
ペンクロフ

ジョーさんも書かれているが、『となりのトトロ』は明白にこれをモデルにしてますね。消えた母を求めての家出の心細さ、知らない土地で兄妹を救うのがバス。寺の入口の石段の構造もアレンジして使ってる。まあ学習院の児童文化研究会にいた当時20歳の宮崎駿が、この映画を観てないわけがない。

昭和30年代の山寺。子供を取り囲む環境は過酷だ。大人の考えは判らない。ガキンチョは気軽に奉公に出されるし、学校じゃ野犬のように噛みつきあう。蜂の巣のくだりなんか怖いんだけど、危険がいっぱいの子供時代を当たり前のようにサバイブしなくてはならない。昭和30年代(たぶん)を再現した『トトロ』と違って、これは昭和30年代の話を昭和30年代に語っている現代劇であり、そこには途轍もない力があると感じた。

ゲンとのニ度目の別れ。見送ったいずみちゃんが、寺へと走る、懸命に走る。こんな感動ってあるか。これが児童映画なんだな。

(評価:★5)

投票

このコメントを気に入った人達 (1 人)寒山拾得[*]

コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。