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[コメント] まぼろしの市街戦(1967/仏=伊)

反戦映画というだけではなく、それ以外の面からも評価したい。
YO--CHAN

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







私事で恐縮ですが、30年以上前にTV日曜洋画劇場でこれを見た時は何分にも子供でした。精神病棟から彼等が放たれ、街が生気を取り戻してゆく描写が「長いなあ、くどいなあ」なんて思っていました。ストーリーだって反戦映画としてなら当然読める展開で、なんか中だるみ・・・と、生意気盛りの子供です。

でも今は少し違う印象を持っています。「ストーリーとか何かのための映像」ではなく「それ自体が目的の映像」だったのでは、放置され埃にまみれた街が彼等によって生き返る映像そのものが目的だったのではと思います。

TV局による編集の意図もあったのかもしれません。なんせ昔の記憶ですが、当時のTV放映では、ラストは全裸の兵士の後姿で、ある意味潔く終わっており、本当のラスト30秒の「伯爵」の過激とも言える一言は意図的に削除されています。

反戦映画として整然とさせたかったのかもしれません。どちらがよかったか分かりませんが、巷の「反戦映画だから秀作」という様な見方だけではもったいない、と思ったのでなんか長々と書いてしまいました;

P.S. 余談だけど、漫画家島本和彦が、短編集『Battle Field』で、本作のバリュエーション的なものを書いていました。

戦地の真っ只中で、見捨てられた老人達による街があり…というものですが、作中には、島本和彦が本作に払う「敬意」と「物足りなさ」が見られた気がします。

(評価:★4)

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