[コメント] トーク・トゥ・ハー(2002/スペイン)
愛の形は必ずしもひとつではない、というのがこの監督のテーマ。見事な映像でした。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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衝撃的なすばらしさでした。こんな衝撃はなかなか体験できませんね。
ベニグノが母親の介抱をずっと続けてきて、そして意識不明になった女性の介抱を通じ愛を伝える。そんな関係が異常の言えるのでしょうか。ここがこの映画で一番悩ましい点でした。
しかし、この映画は、ドラマに集まる人々それぞれがいずれも愛に満ちていて、マルコとベニグノの男性同士の愛も含め、愛と愛のぶつかり合いのような展開だったんですね。
人を好きになるということは、どうしても相手のすべてを手に入れるために立ち入らなければならない世界がどこかにある。
そんな語り部的な存在がマルコ。
アリシアに対してもリディアに対しても、その接点は間接的ですが、一途に愛することで相手のすべてを受け入れようとする姿勢が今の日本人に欠けていて、スペイン人にはスタンダードになっているんでしょうね。
『それでも恋するバルセロナ』でウッディ・アレンがやや皮肉めいて、このスペイン気質を描いていますが、スペイン人によるスペイン映画ともなると、この観点が当たり前のように表現されます。
そして時々出てくる現代バレエの舞台にも魅力がありますよね。芸術とはこれですね。
さらに『ジェラルディン・チャップリン』が出演しているのも驚きでした。こういう役者を惜しげもなく使える監督の力量に圧倒されますね。
感動!!
2010/06/18 自宅
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