殺人犯と追跡者で、特殊部隊員と教官で、疎外された個人と国家権力で、… それぞれに色々な映画のモチーフが投入されているが、そのそれぞれで合格点に到達せず、且つこの映画のオリジナリティーがどうにも感じられない。イっちゃってるデル=トロの演技が「上手過ぎる」のもあり、T.リー=ジョーンズのオッサンがもたつき過ぎなのもあり…。映画は無理に「対決」を煽るが、実際のそれは貧弱という有様。『ランボー』の足下にも及ばない。いや、役者は嫌いではないので、この責任はやはり脚本と演出にあるのだと思う。