そんなにひどい映画とは思わなかったが、ほかの方も指摘するとおり、「死んでゆく順番」が本当に判りやすかった。

アメリカの科学者たちだけが真相にたどりつき、地球を救うために、アメリカだけががんばった映画は星の数ほどあるが、たとえば今回、ほかの国の科学者も気づき、独自に調査し、アメリカ隊とは別に、ロシア隊、日中合同隊、仏英合同隊、イスラエル隊の５組が、それぞれ独自の方法でコアを動かそうと試み、時には敵対し、時には協力して、地球を救おうとするが、アメリカの「ディスティニー」のように、各国ともそれぞれ後ろ暗い問題を抱えていた･･･とかにすれば、「政治的」な面白みが加わって、ただのサバイバル的地球防衛じゃなくなるのに。

あと、『インソムニア』でも思ったが、ヒラリー・スワンクという女優は、こういう展開の中に「恋愛」を持ち込ませない、貴重な存在だと思う。最後にキスシーンもあるが、二人が恋に落ちるわけではなく、死線を乗り越えた「同士」として成り立つ。ほかのきれいなだけの女優では、絶対そうはいかない。