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[コメント] 背徳のメス(1961/日)

美点はボロ病院の穿った描写で無茶苦茶恐ろしい。相部屋で夜半に突然に応急手術が始まり、隣でヤーさんが医者を脅し始めるのだ。子供なら確実にひきつけを起こすだろう。
寒山拾得

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







原作では新興宗教出資の病院ということらしい。加藤嘉の院長のへんな造形と院長室に飾られるへんな狐の置物がこれを語っている(高千穂ひづるの亭主が入院する病院の十字架と対照されている)。院内でパーティが開かれてこの騒音(しかも軍歌)が病室に漏れ聞こえたりもする。儲かっていないのだろう。

中盤までに田村高廣は「誰にでも殺される可能性のある人物」と観客に認められる。そして殺人未遂事件が起きるという展開。医療ミスを巡るふたつのネタは普段接することのないもので興味深い(原作ではさらに拡大されるのだろう)。しかし、女たらしだが仕事は真面目という自由人田村の生き様がその後(肯定的にせよ否定的にせよ)生かされることがないのが詰まらない。収束は久我美子(台詞で33歳と云われる)のオールドミスネタに集中される。「カサカサのオールドミス」と詰る山村聰への恋慕を語る久我をどう見てよいのか、女性でないと判らない世界だった。

一点豪華主義の犯人は判りやすくミステリーとしては不足感あり。高千穂は別にいらないような存在。すでに看護婦を「看護師」と呼んでいる台詞があった。

(評価:★3)

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