[コメント] ルーヴルの怪人(2001/仏)
映画を見終った人むけのレビューです。
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ここのところフランス映画を観る機会が多い。多くの変遷を経、今やフランス映画はハリウッド並の画面構成に、やはり独特の雰囲気を持ち込んでいるため、新しいフランス映画は結構見応えがある。この作品も「2001年本国でのベスト1」と言うキャッチコピーが踊り、雰囲気もなんかホラーっぽいので、楽しみにしていた。
出来としてはまあ、並ってところかな?見応えは結構あった。なにせ本物のルーヴル美術館の中で撮影した。と言うだけあって芸術品が結構見られたりする(さすがに撮影できるところは細かく定められているらしく、決まった構図でしか撮影がされてないのが難点と言えば難点だけど)。SFXも上手くはまってたんじゃないかな。エジプトに関する考古学的なウンチクも結構しっかりしていたし(仕事関係で古代エジプトの歴史については私も結構調べたので、少なくともあれがちゃんとした考察の元で設定づけられているのはよく分かる)、何よりソフィー=マルソーが綺麗。
確か彼女、私が中学生の頃にスクリーン・デビューしたんだと思うから、当然私より年上のはずだが、良い意味で大人の女っぽくなってた。昔みたいな軽薄なところが無くなり、しっかりした女性を演じさせるのは正解だったな(ニュースを見ていたら、つい先日2人目の子どもが生まれたそうだが)。
ただ一方、物語そのものは普通すぎ。怖がらせようと言うサービス精神が感じられないし、最後でなにかどんでん返しがあるかと思ったら何もなかったし。
下らない蘊蓄をちょっと。
古代エジプトのコレクションはトリノ、大英博物館、そしてこのルーブルの3館が最大だが、これはフランス人で19世紀にエジプト総領事だったドロヴェッティとイギリス人領事ソールトの二人が、エジプトを支配するムハンマド・アリーの許可を得て盗掘同然に得たものを売却したもの。大英博物館を「イギリスの泥棒見本市」と称するのはあながち嘘ではないな。
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