[コメント] シティ・オブ・ゴッド(2002/ブラジル=仏=米)
今、この瞬間にも、聴くことが出来ない声が増え膨らみつづけ、忍び寄る足並みを揃えた銃声を聴くことになりそうな世界に生きている。生の声は聞こえてはこない。声が止んだあとの無音を別の音がある映像でしか感じるとるしかないやるせなさに涙するしか反応できない自分の心臓を貫かれた。
煉獄と地獄の繰り返しが日常で本質であって、絶対に天国がこの世には存在しえないことを嘘偽り無く、血が身体の中にかろうじてとどまっている人間に語らせた力量に感謝感動である。また、かろうじて血が外に噴き出していない人間であることを確認できたことがこれほど複雑な気分だったってことに気づくのは奇跡。たとえ味読していなくてボーっと見ていても、個々人それぞれに、まだまだやれることが数多くあることに気づき、今自分に吹いている風の方向が確認できたのではないだろうか。
いつも、二度と聴けない声を一度も聴かせずに映像が終わってしまう。声はスピーカーから聞こえるわけがない、口からだからだ。それを忘れてはいけない。
2004/04/09
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