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[コメント] 永遠のマリア・カラス(2002/伊=仏=スペイン=英=ルーマニア)

イマイチ感情移入できず  2003年11月13日試写会鑑賞
ねこすけ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







別にマリア・カラスに詳しい訳じゃないのだけど、歌声は聴いた事はあったし、興味はあった。一度頂点に上り詰めながら、今じゃ過去の歌声を聞いて嘆き悲しむだけのマリア。彼女が絶望の中で、新しい希望を見出して歩き出すこの話は好きだ。

「カラスと仕事するなら休みなんて」という台詞の強烈なインパクトに彼女の横暴ながらも、オペラと言う芸術と自己表現対する完璧主義ぶりが感じられて、どこか気持ちよかった。前半ではあんなに嘆いていた女性が、これだけ生き生きとしているのだから。

音楽は勿論の事、演技やオペラシーンも楽しめた。演技は凄い。脇役から皆本当に頑張っていたと思う。そこにあの音楽で場を盛り上げる演出は素晴らしかった。ラストシーンのベンチの会話のシーンでは、イマイチノリ切れなかったにもかかわらず、あのシーンの清々しさだけは記憶に鮮明に残っている。

ただ、オペラシーンをもっとみたかった。オペラシーンの素晴らしさは身震いする程だったのだが、どうも間に色々入りすぎて中途半端になってしまう。それに、全体的にシーンとシーンの繋ぎ方に納得行かない。場面が飛ぶのがどうも俺のタイミングと合っておらず、イマイチノリ切れなかった原因の一つだ。

それから、プロデューサーのホモ恋愛はどうなんだろうか。必要だったのだろうか?いや、まだあれはいいにしても、オペラ歌手、しかも過去にはトップに上り詰めた、と言うプライドがある人の声を吹き替え(吹き替えというのは適切じゃないかもしれないが、少なからず本当の声じゃなく過去の、全盛期の声)を利用するのは如何な物だろうか。確かに映画、と言う物でオペラを撮れば昔の様な声が出せないマリアをカバーできるが、果たしてそれでいいのだろうか?

だから最後のマリアの「トスカ」を演じる事に対する決断にはもの凄く納得できた。

しかしオープニングには思わず噴出してしまったよ。なんでロックなんだ・・・?しかもテロップがどことなく『ジャッキー・ブラウン』な臭いが・・・いや、違うか。

(評価:★3)

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このコメントを気に入った人達 (2 人)サイモン64[*] makoto7774[*]

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