[コメント] 座頭市喧嘩太鼓(1968/日)
市に絡む女優と好敵手の男優をゲストに迎える本シリーズにおいて、女優がこれほど際立った作品はなかった。芝居が出来、かつ存在感を醸し出す三田佳子(元東映)。
東映をフリーになった三田佳子が画面にいる。これだけでこれまでのシリーズと明らかに違う雰囲気が作品を覆う。当然、市と絡むシーンが多いのだが、三田佳子はしっかりと自分の芝居をこなしつつシリーズに溶け込んでいく。だがその存在感は女優の占める地位が低かった本シリーズにおいて異質ともいえるものだった。逆に言えば、今までの大映女優陣のオーラの無さが透けて見える一作でもあった。
それに較べて同じく東映から借りてきた佐藤允の意味の無い設定は酷かった。物語を掻き回すどころか、上滑りした役柄は何の効果もなかった。
せっかくの佐藤允の使い方を徹底的に間違った好例だった。次回作は勝プロ=東宝で監督は岡本喜八がメガホンを取った『座頭市と用心棒』。どうみても佐藤允なら岡本喜八なんですよね。
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