[コメント] 奇跡の海(1996/デンマーク=スウェーデン=仏=オランダ=ノルウェー=アイスランド)
映画を見終った人むけのレビューです。
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愚直なまでの自己犠牲的愛。そして最後は救済。 この映画は多分に宗教的(キリスト教的)だと思う。この世での行いがあの世での神の祝福に結びつくといった意味合いがありありだ。
「ダンス..」でもそうだったけど、主人公の女性ははっきり言って愚かでただひたすら愛する人のため、自分を不幸に落とし込む。 観ている方はあのぐらぐらするカメラワークと暗い映像が合いあいまって、だんだん不愉快な気分になっていく。(なんでこんなに愚かで自分から不幸になっていくんだ ってね)
そして最後に不幸のどん底に観ている方を落とし込んだ後、宗教的な救済が訪れる仕掛けだ。(救済に気が付かないとなんだか判らない不愉快な映画)
自分を投げうって、いちずに愛しぬき、神の救済を受ける主人公。 愚かでいちずであればあるほど、愛する気持ちは純化して尊いものになっていく..そしてあの世での救済(ラストの鐘が暗示している)
そんなメッセージがこの映画には(「ダンス..」も)込められていると思うし、だから宗教的なんだと思う。そういう意味でこの映画は「ダンス..」を 作るための習作的なもの。 観終わって不愉快な気分なんだけど、なんかずーと心にずっしり残るって言うか...後々まで考えさせられた映画でした。
エミリー・ワトソンの演技は凄い。(ビョークも凄かったけど) (主人公の愚かさより、この愛する気持ちのいちずさと悲惨さに感情移入できた人はものすごく悲しくって泣けるかもしれない)
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