[コメント] 野良猫ロック マシンアニマル(1970/日)
映画を見終った人むけのレビューです。
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米軍脱走兵の山野俊也をスウェーデンへ、一緒に逃亡しようと、藤竜也と岡崎二朗は岩国ナンバーのクルマで横浜へ。この、米兵逃亡の手助けという主題に膨らみがあるともっと面白くなったと思うのだが、残念ながら社会派映画の展開に禁欲的な展開で、米軍風俗にも拘りが見られないのが寂しく、『セックスハンター』のハーフ狩りから随分な後退で、藤竜也の青春18切符みたいな話になっている。
岩国から旅費として売りさばこうと大量のLSD(カプセル錠剤500錠で范文雀は300万円の値をつけている)を持参。これを巡ってマヤ芽衣子たちと、郷えい治率いる暴走族ドラゴンが対決する。サイドカーに乗る郷はじめ、暴走族ドラゴンは信じられないぐらいモッサい。
梶の子分たちはLSD盗んでボーリング場、1錠ずつ決めて藤竜也が待ち伏せするいつものバーにラリって戻ってくるという簡単な行動様式が素晴らしい。その後も潜んでいる山野をボーリング場に連れだすなど、気楽な人生で羨ましい。マヤ芽衣子がLSDを返却すると藤竜也はお前ら案外いい奴だなと仲良くなり、隠れ家のパーティでももむさぼり呑んで大騒ぎ。
マヤ芽衣子はニコニコして愛想のいいキャラで「誰だって自分のことなんか判りゃしないさ」と達観し、藤竜也との会話の最中に突然唄い出したりする。50CCのバイクで子分を一列に従えてパチンコ屋やレストラン縦断する件はいいコメディ。みんな律儀にヘルメットかぶっている。マヤ芽衣子はすでにシルクハットを被っている。
山野は追跡して米兵(へんなパトカーに乗っている)に路上で射撃される反米映画。本当だったらとんでもないスキャンダルになる処だ。抗争の最後に岡崎二朗は郷たちに打ち殺され、藤竜也が黄昏て、ぷっつり終わる。いい加減なタッチがダイニチ映配らしい。
なんでサイケなインストロックのバックでダンシングチームが足場のうえで踊るのだろう。音楽はサイケだが唄は演歌がかっているのが時代でいい味出している。どういう事情か「また逢う日まで」の歌詞違いバージョンを唄うのがスーニーブーか。ラリッて出てくる血のイメージはすでに長谷部らしい。マヤ芽衣子たちはMOTOMECHIと書かれたアーチを潜っている。正しくは「マシン・アニマル」。どうでもいいけど。
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