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[コメント] Jam Films(2002/日)

7つの短編に共通の意識や課題もなく、まして15分というごまかしのきかない長さのために各作家の資質がもろに露見してしまい、しかもその出来不出来の差があまりにも激しくトータルとしての点数のつけようがないのだが、とりあえず3点。
ぽんしゅう

■The Messenger 北村龍平監督・・・1点

テクノロジーの厚化粧を剥ぎ取ったら中身は空っぽ。演出技術も何もなく、あるのは映画オタクの自己満足。20年ぐらい前、よくこんな話を8ミリ映画で大学生が撮っていた。なんと進歩のないこと。

■けん玉 篠原哲雄監督・・・2点

定番の行き違いコメディを、いかにも生真面目な篠原監督が几帳面に手堅く手堅くまとめてしまう。破綻も、ボケも、スピードも、何もないナンセンスコメディなんて成立するわけがないというナンセンスぶり。

■コールドスリープ 飯田譲治監督・・・3点

キッチュな学校と学芸会衣装に包まれた退行バカ達が、羨ましくなるほどバカバカしい終末観。周りのみんながバカなら、別にオレだってバカでもかまわない。確かにその方が幸福かもしれない。

■Pandora 望月六郎監督・・・4点

秘密とは後ろめたさであり、後ろめたさは裏返せば快感である、というお話。果てしない羞恥と快楽の繰り返しは、自制心のタガをはずし肉体は本能のままに駿動し始める。エスカレートするエロス。

■HIJIKI 堤幸彦監督・・・2点

繰り出されるセリフや芝居の間は、かつてのつかこうへい野田秀樹を彷彿とさせる。舞台では賞味期限の切れた言葉芝居を、それ風にフィルムにしたという感じ。一見新しいようで古臭い。

■Justice 行定勲監督・・・4点

読経のように流れるポツダム宣言と教室に軟禁された少年達、そして躍動する赤・青・緑の少女達。てっきり今も米軍の日本占領統治が続いているというSF話しだと思った。いや、今もそんな気がする。

■ARITA  岩井俊二監督・・・2点

広末涼子という、それなりの逸材を使いながら彼女の個性を完全に封印してしまうのが岩井監督の個性というか真骨頂。あとは、この唯我独尊状態の脳内メルヘンが好きか嫌いかの問題でしょう。

(評価:★3)

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