[コメント] 座頭市あばれ凧(1964/日)
このあたりから勝新太郎の演技は鬼気迫るものへと変化し、それに見合うだけの敵がいなくなっていったんじゃないでしょうか?後半はほとんどホラーです。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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本シリーズは監督にもよるのだが、方向性が見事に二分されている。否応なく座頭市が争いに巻き込まれていくという構図は同じにせよ、市の描写が大変シリアスになるか、コミカルになるかで印象ががらりと変わる。私なりに本シリーズの大傑作と思ってる『座頭市と用心棒』(1970)はそのコミカルな市の代表となるだろうけど、これも又コミカル性が強い。この場合、むしろユーモアと言っても良いけど、割合それが良い具合に働いている。のみならず、後半のスリラー仕立ては流石池広監督。暗闇の中での市の顔アップ(しかも煽りで)は、ぱっと見、ホラーのようにまで見えてしまう。市自身が火を消していくという課程を丹念に描く課程も良し。
相変わらず仕込み杖による殺陣は冴え渡り、今回は水中での決闘シーンがあるなど、ヴァラエティも豊か。
ただ、座頭市がほとんどバケモノのようになってしまった分、それに対抗する相手が必要だったのだが、今ひとつ周りのキャラに魅力がなかったのがちょっと残念なところ。ここで市と渡り合う好敵手が出てくれれば傑作となり得たのにな。
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