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[コメント] 手討(1963/日)

「番町皿屋敷」の見事な翻案。これはよく出来ている。ローキーを多用したコントラストの高い画面造型はヒリヒリした雰囲気を巧く伝えている。役者も皆適役だが特に前半の城健三朗の迫力は凄まじい。前田家の門前で繰り広げられる彼のパフォーマンスは呆れてしまうぐらい過剰な演出だが、これでこそ城健三朗と思わせる。
ゑぎ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

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 また、ヒロイン−お菊を演じる藤由紀子はたどたどしい演技だが切なさが良く出ている。大久保彦左衛門役の菅井一郎加藤嘉香川良介柳永二郎ら老中達、或いはお菊の兄の佐々十郎とその妻・阿井美千子もいい雰囲気だ。そして雷蔵の叔母(小石川の叔母)を演じる細川ちか子−戦前からの成瀬巳喜男映画の常連であり、当時、高名な実業家・政治家である藤山愛一郎(外相、経企庁長官を歴任)夫人であった−はいつもながらの見事な貫禄。ラストの手討シーンの演出は少々様式的過ぎるか。

(評価:★4)

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