[コメント] フォー・ウェディング(1994/英)
イギリス映画って、別嬪さんや男前「じゃない」人が割と平気で出てくるとこあるでしょう。そこが好き。それに比べるとハリウッド映画って本当に工業製品のような美男美女ばかり出てくる。それはそれで目の保養にいいんですが、特に恋愛のお話だと他人事に見えちゃう。この映画も主人公の二人以外…いやむしろアンディ・マクダウェルはどちらかと言えば地味女(ジミータ)ですよね(ちょっと話がずれますが、アンディ・マクダウェルが33人と寝たことがあるって、なんだか妙にリアルじゃないですか?わたしはすごくいいキャスティングだと思うんですよね。)そんな特別ゴージャスではない人たちが、それぞれのチャーム・ポイントをちゃんと見出して、そこに惹かれあって恋をするという、この映画のような風景のほうがずっと心に染みますね、この年になると。年の問題じゃないかもしれないけど。
それと、ネーサンさんも書いてらっしゃいますが葬儀で詠まれる詩にグッときます。
He was my North, my South, my East and West, My working week and my Sunday rest, My noon, my midnight, my talk, my song;
つまり「彼は私の全てだった」ということだけれども、儚い恋の夢に浮かぶ幻のようなそれではなく、日々の暮らしの中で紡がれる深い情愛の言葉。それは、誰かを心からいとおしむとき、その人の美点だけを愛でるのではなく、馬鹿や滑稽をすら含んでその人の生きる「日々」を丸ごと愛するものだということを想起させますし、それはまた美男美女「でない」人たちが惹かれ合い愛し合うこの映画の風景とリンクしているように思えます。
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