冒頭のレースのカメラワークのひどさはともかくとして、ああまで窓ガラスが汚いのには我慢がならない。主人公の心情を表しているのかもしれないが、カメラのピントも遠方に照準があったり、窓ガラスの汚れに合っていたりしてるし、（音声からサイドガラスも閉めているはずなのに、）車から見た横の光景には窓の汚れがなかったりして、ただ雑との印象を受ける。雨が降ると返って汚れがひどくなってるし（やっと視界が開けると思ったんだけどね）。

また、車中のカメラ位置を後部座席で主人公の頭部を写しこむ映像から、主人公の視線、そして主人公の前に移していく変化など、とても彼が前向きになったことを示しているようにも思えないし、意図がよく判らん。何となく、彼の抑えがたい例の衝動の現れのような気がするが、なんだそりゃ？　てな感じ。

そもそも何の話だ？これは？　クロエ・セヴィニーの熱演には驚いたけど、デイジーは空想の人物ということで宜しいでしょうか？　それにしてもデイジーのボケ？両親が出てきてるし、やっぱり実在はしてたらしい。　うん？まてよ。本当に主人公はデイジーと付き合っていたのか？　独占欲強いし、デイジーの両親は全く覚えていないし、小さい頃からずっと見てたって、もしかしてストーカー？　その彼女が犯され事故死するのを見てからトリップしたの？　そういや目つきが怪しかったなー。

て言うか、これサスペンスじゃないね。まぁ額面通りとって、ラストのあの部分だけを妄想とするなら、彼女が死んだ理由をそこで描く意図がよく判らん。主人公はあれでふっきれたのか？　それともまた忘れた振りして繰り返すのか？　どっちにしても不自然。　彼女の死はそれまで付き合わせた観客に対する弁解説明とすら感じる。つーか、亡くなった彼女で･･･するか？　やっぱり危ないなー。　どうせなら、あの後、横になってＴＨＥ・ＥＮＤ（彼女は消えている）のほうがまだよかった。それが妄想でしょう。