[コメント] 荒野の渡世人(1968/日)
いわゆる「トンデモ映画」の要素に満ちた作品だが、本物の西部劇を撮ってみたかったという東映の熱意だけは真摯に伝わる。だけどもラスト、あの名作をパクッた演出は如何なものか?邦画だけでなく日本人の民意まで問われてしかるべきものだ。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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★主人公の名が「ケン」。そして少年と母親。誰もが『シェーン』を彷彿とさせるシュチエーションだ。まさかと思ったが東映は本気印で少年に叫ばせた。「ケーン!!戻ってきて!!」
★まさか志村喬までもがこの西部劇に名を連ねているとは・・・・
★彼はサムライの子孫であることは自覚しているが故にクライマックスで日本刀を手にするのだが、その日本刀の使い方たるや・・・彼自身が否定していたはずの背中から斬りつけたかと思うや、まるでドスのように突き刺す。さらに息の根を止める為に何度も突き刺す・・・これが志村喬から伝授されたサムライの剣法だったのだろうか? これじゃまるでヤクザの喧嘩です。 ここで初めて本作のタイトル「渡世人」というフレーズが一致した。哀しい。
★この時代の西部にあって、日系でありながらも差別が皆無という素晴らしき世界観は素敵だ。
★この日系人の為に師匠は実の息子を射殺する。悔いはないようだ。
★この日系人に夫を殺された妻は彼を恨まない。もっともらしい理由があったのだろうとソレを聞きたがる。
★この日系人に父を殺された少年は彼を恨み、彼を嫌う。当然だ。だけど少年が嫌だったのはそれにもまして、母親がこの父殺しの日系人を不自然に庇う姿勢が嫌だったんじゃないか。母がこの男とデキてたんじゃないかと直感で感じたからじゃないのか?
嗚呼、何もかもが素敵な好人物高倉健を中心に展開するJウェスタン世界。素敵過ぎです・・・
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