[コメント] ダークネス(2002/米=スペイン)
最近の映画の傾向として
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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さまざまなキーワードを贅沢に盛り込みつつも、実際そのキーワードが充分必然性のある使われ方をされていない、というか物語の中で充分消化されてない、というのがあるような気がする。
本作でも家族の崩壊と再生へのたたかい、幼時のトラウマ、子供たちの異国での生活の孤独感、殺された子供たちとポールの交流、といった本筋のキーワードが最終的には全て「闇の中」。いかにもホラーな(実際この映画、過去からの借り物が非常に多い)記号といっしょにぶちこんで、辻褄合わせに終始。記号に成り下がるべきでないものまで、記号のまま終わってる。辻褄が合えば何でも物語の中に入れても良い、というのはちょっと勘違いだと思う。
闇の恐怖を描きたい、といういかにもホラー的な命題のクセして、実際映画の作りは辻褄合わせが主体のサスペンス。なんかちくはぐな印象。こちらとしては、日常の傍らにあって意識せざるものが、まるで生き物のように存在感を増す「闇の見せ方」を期待しているワケだけれども、闇の中にヘンなものがいるというのみで(これまたいる、いないの瀬戸際であれば怖いけど)、全くこちらの心に「闇自体」が侵食してこない。日常の地続きの非日常だから怖いワケで、この映画はその「地続き」の部分への意識が足りない気がする。
(2004/7/30)
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