コメンテータ
ランキング
HELP

[コメント] ミモラ 心のままに(1999/インド=ハンガリー)

アルシュワリヤー・ラーイの美貌にクラッ。お決まりのダンスと音楽が頭から離れません。そしてほろ良く切ない三角関係のラブストーリー。結構堪能しました。
Keita

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 元ミスワールドのアルシュワリヤー・ラーイ。ミスワールドは伊達じゃない。個人的にはタイプの顔ではないのだが、彼女には美しいと言葉がぴったりだと思う。美しい上にさらに、色とりどりのサリーを見に纏い、華麗なダンスシーンを披露。♪ミモラミモラミモラ〜と彼女が歌うのが(プレイバックシンガーが歌ってるから実際は彼女歌ってないけど・・・)頭から離れません。でも、美しさと踊りだけではない。ふたりの男性の間で揺れ動く心をしっかりと表現していた。

 捻りのないラブストーリーではあるが、それでもしっかり見せ切る力がある。187分という上映時間はさすがに長いが、その中に詰まってる内容は結構濃いものだ。全て見終わった後に先行するのは疲労感ではなく、爽快感だ。ボリウッド映画の魅力が全て詰まってると聞いたが、それも納得できる。ひとつの映画の中にわかりやすい喜怒哀楽がしっかり存在し、ダンスシーンでは楽しく、恋愛劇を見ながら時には悲しんだりと、なかなか楽しめる作品だ。また、女性達が纏うサリーやインドのインテリアなど美術もきれいで良い。それだけで他の国の映画とは違った雰囲気を味わえる。

 上にも書いたが捻りはないとは言え、結構切なくてぐっと来る場面も・・・。序盤からインターミッションまでにひとつの恋愛劇として完結しそうな愛を描き、後半は結婚させられた夫との葛藤を描く。後半、ナンディニがサミル、ヴァンラジのふたりの間で揺れ動く様を見ていると、描写がしっかりしているだけに気持ちも伝わってくる。もちろん、男性二人の感情も 良く理解できる。序盤を見ていれば、サミルとの間の愛を応援してしまうが、その中で一緒にサミルを探す夫、ヴァンラジの献身ぶりを見るとナンディニを心から想っているのも良く分かる。違った形での愛に揺れ動くナンディニが最終的にどちらに転ぶのか、これがなかなか読めなかった。それだけどちらの男性にも惹かれる理由があると思う。三角関係ではあるが、憎みあいもなく、すごくきれいな恋愛劇だ。最後は結局ヴァンラジに尽くすこと決めるが、どちらに転んでも納得できただろう。どちらにしろ喜劇と同時に悲劇が存在する。非常に切ない恋愛劇である。最後のナンディニのサミルに対する台詞が印象的だ。「あなたは愛を教えてくれた。だが、夫は愛を育むことを教えてくれた。」どちらの男性への愛も本物だった。それだけに決断が非常に切ない。

 インド版『冷静と情熱のあいだ』って、この映画の方が全然良いと思うのだが・・・。イタリアと言いつつ、実はハンガリーロケ。これも後から知ると爽快で気持ち良い。  

(評価:★4)

投票

このコメントを気に入った人達 (0 人)投票はまだありません

コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。