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[コメント] 子連れ狼 冥府魔道(1973/日)

シリーズ屈指の不条理さ。まさに“冥府魔道”。 原作の設定を福岡の黒田藩に変え、武勇名高い黒田二十四騎と子連れ狼をかち合わせた脚本の妙。
AONI

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







首を刎ねる、刎ねる!!老人も女も子供までも!(原作にも無いラスト) 座頭市(勝新太郎)は女子供にゃ弱いが、兄君である子連れ狼(若山富三郎)には通用しない!! 己を捨て身で試し斬りされながら、殺し仕事を依頼していく武士達の姿に呆然すること必至!

三隅研次の映像美学は相変わらず狂い咲き。冒頭の滝シーンの美しさからして圧巻。 高僧大滝秀治を斬り捨てるという今回の仕事にはさすがに躊躇し、刀を抜けない若山富三郎をほぼ真下から捉えた絵は「カッコいい!」の一言。

前作の直接対決で拝一刀に片目を奪われた宿敵・柳生烈堂。今回はきっちり眼帯をはめていた。それは別として、初代の伊藤雄之助、二代目の遠藤辰雄、そして三代目の大木実と、だんだんと柳生烈堂役の顔がマトモになっていく。

加藤嘉もシリーズ一作目の冒頭に出演しているので再登板。前作は幼き若君の切腹を補助する家臣役だったが、今回は自ら切腹から逃げ回る老君主役というのも面白い。大木実だって、シリーズ二作目の刺客・左三兄弟の一人として拝一刀と戦っているので再登板。草野大悟なんて、シリーズ中3回も別の役で登場し、いずれも見事なほど惨めな死に様を見せてくれた。俳優が別の役で最登板してくるのはシリーズ物の常ですな。

(評価:★3)

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