[コメント] 地獄花(1957/日)
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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「山も野もわしらのものにしてみせる」みたいな中世の山武士の女を描く室生犀星、円地文子作。山腹での一夜はフリーセックス状態。京も山村聰に襲われ逆襲して殺すが身籠る。三好栄子さんの愉しい神道パフォーマンスで凶と出て、京は馬にくくられて馬は蹴とばされ疾駆、鶴田浩二が救い、最後は対決、みたいな話。
序盤に襲った大名行列から市川和子の姫を預かり都へ返し、御恩は忘れませんと云われて市女笠を貰っている。ラストで京は鶴田と海岸線を去ってゆく。ここでその市女笠を被っているから、たぶんこの姫を頼って行くのだろう。感動の再会を描けばいいものを、ざっくり削る演出はさすが老監督、当たり前の件は面倒臭かったのだろう。時間切れの大幅編集かも知れない。
「移動効果」というスタッフがOPに掲げられているが何する人だろう。岩を結んだ滑車の担当者だろうか。全盛期大映、このセットも頑張っているが、それ以上ではなかった。失礼ながら内田吐夢の諸作に比べると全体的なたっぷり感がなく見劣りがする。原作は「舌を噛み切った女」。カラービスタ。
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