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[コメント] 美しき冒険旅行(1971/英)

美しき哉、人生のパラレル及びグラデーション。コントラスト?都市と砂漠の?美しさと残酷さの?笑わせないで欲しい。だって世界は丸く一つに繋がってるんだぜ。
町田

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
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海岸沿いの高級分譲マンションで夫の帰りを待つかつての少女。

男にとって、最も恐るるべき自然の残酷さとは、目の前いる美しい女の中にこそ存在する。砂漠だろうが、都市だろうが、そんなことは関係がない。

というか、ジェニー・アガターの脚線美に対するニコラス・ローグのまなざしはかなり倒錯的だ。後でパンチラやヌードも出てくるが、最初の車のボンネットを覗き込むシーンで既に相当やばいと感じた。(それが悪いと云っているのでは勿論ない。)

画面は、カメラマン監督だけに、本当に素晴らしい。その美しさは自然美である以上に、人工美であり、対象そのものの美しさ・雄大さ以上に、構図や色彩、光と影の取り入れ方の絶妙さだ。冒頭の印象的な横移動、ローアングルで捉えた砂漠歩行シーン、緑色の夜、消えるオアシスのシーン、さるすべりのシーン、デビッド・ガルピリルが歩哨に立つ夜明け前のショット(絶句!)、小屋での告白の光と影、廃墟での姉弟の距離感、夕焼けとシルエット、何処までも伸びる道、などどれも計算し尽されている。

子役のルシアン・ジョン(ニコラス・ローグの実子で後映画制作者)が醸し出すユーモラスな雰囲気も相俟って、一秒も退屈しないし、一瞬も目が離せない、そんな美しい冒険旅行、でした。

(@テアトルタイムズスウエア/デジタルリマスター版)

(評価:★4)

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