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[コメント] ツイン・ピークス(1990/米)

デビッド・リンチワールドの源泉。ここに至るまでの過程とこれ以降で彼の芸術は一変する。見事な抽象論としての芸術である。
chokobo

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







これがテレビシリーズで放映され、巷で少しずつ噂になり、確かBSとレンタルビデオで供給されてから大いに火がついた。テレビシリーズの第1話は忘れられない。当面の話題として、ローラパーマーが出てきたのはこの第1話のみで、あとは父親や友人など周辺の人物で物語りが語り継がれてゆく。これは形を変えた『羅生門』であり、犯人探しが当初の主題であったにもかかわらず、最終的には人間の内面に潜む”何か”を追求してゆくのだ。

もちろん映画は別物である。かなりテレビ版とリンクすることの努力はしているが全く別のものである。

テレビシリーズの衝撃はクーパー捜査官のあり方であろう。FBIの捜査官としては様々なありかたが考えられるが彼はどっぷりつかってしまう。結局この方法が彼を別の道へと導いてゆくのだ。

テレビシリーズを消化不良と考える向きのあるかもしれないが、これはリンチ転生の大きなポイントとなっていることは明かである。これを見ずしてその後のリンチを語ることは難しいと思う。

(評価:★5)

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