[コメント] ペイネ 愛の世界旅行(1974/仏=伊)
といっても、郡山市民なら誰でも知っているという人ではないでしょう。むしろ、聞いたこともないという人の方が多いはず。(ペイネ自体知らない、という人も多そうだなあ。某100均に連れて行って「これだよ、これ」と缶製品でも示さないと)
毎年一回開かれる絵本展の片隅で、小さな作品コーナーが開かれていたのを見たことがあります。あとはタウン誌の取材記事、テレビでの紹介、納税促進?のポスター、といったところ。残念ながら名前も思い出せない上、御存命かどうかも定かでないほどですが。
さて、その郡山のペイネ氏は、ヤンキー臭漂う若者だらけのU通りだろうが、夜はまっすぐ歩けない酔っ払いだらけの飲み屋街Jだろうが、ペニスもヴァギナもなさそうな、御清潔で油も脂も抜かれた風情のひょろっこい男女が微笑を浮かべ、大八車の花売りのおばちゃんからカスミ草の花束を買ったりするような、そういう街角として描いています。それはそれで魅力的ではあります。
だから私としては、ペイネというよりは、「わたせせいぞうシニア」という印象を受けます。優しくて、きれいで、毒のない絵柄は魅力だけれど、ペイネのような、腹に一物ありそうな、ある種の禍々しさというか、いかがわしさが全くないのです。
といっても、この映画を見るまでは、私もペイネというと、セックスとは縁のなさそうな、性別すらなさそうな男女の睦み合いみたいなイメージを持っていましたが。あの世界で奨励される恋愛には、当然セックスも含まれるわけで……。バレンティナの、テニスボール仕込んだようなバストは伊達じゃなかったのですね!
サイケな映像もしっくり来ているのにはびっくりしました。そんなこんなで、正直、きちんとコンセプトをつかめた自信が全くありません。なかなか油断のならない作品だと思いました。
ただ、もう一言余計に付け加えるなら、映画としてはあんまりおもしろくはなかったと思います。光るところはあるんですけど。
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