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[コメント] ダーティハリー(1971/米)

ファシストのファンタジー?そこまで言ったら逆にかっこよすぎる。もっと弱っちい市民感覚的な何かだよ。
G31

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 言いたいことは分かる。人生に対する弱腰が、ここぞというときの判断を鈍らせ、責任との直面を先延ばししようという態度となる。いつでもこれが事を誤るもとだ。“市長”のそういう性質をハリーが一目で見抜くシーンは小気味よかった。

 また、愚かな人間は、目の前に危機が迫っているというのに、些末な手続き論に拘り、危機を到来させてしまう。一般には現実逃避だとか言われるけど、もっと別の本質的な問題、人間って実はそういうことが好きなんじゃないか、という気にさせる。

 ただ現実の世の中ってのは、この映画に描かれるほどは馬鹿じゃない。いくらなんでも実際に人を射殺した事が明らかで、誘拐殺人まで犯した男が、証拠不充分で無罪放免ってことはないでしょう。今の世の中で、人権ってものがそこまで尊いものとされている気はしない。政治的にも経済的にも背景のない奴の権利なんて、もっとぞんざいな扱いではないか。運用面で格差のあることが、社会のより本質的な悪だと思う。だから私には、この映画は現実を過大評価していると思える。あるいは私がPUNKS(チンピラども)に同情的過ぎるのだろうか。

70/100(03/10/18記)

(評価:★3)

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