[コメント] ダーティハリー(1971/米)
ファシストのファンタジー?そこまで言ったら逆にかっこよすぎる。もっと弱っちい市民感覚的な何かだよ。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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言いたいことは分かる。人生に対する弱腰が、ここぞというときの判断を鈍らせ、責任との直面を先延ばししようという態度となる。いつでもこれが事を誤るもとだ。“市長”のそういう性質をハリーが一目で見抜くシーンは小気味よかった。
また、愚かな人間は、目の前に危機が迫っているというのに、些末な手続き論に拘り、危機を到来させてしまう。一般には現実逃避だとか言われるけど、もっと別の本質的な問題、人間って実はそういうことが好きなんじゃないか、という気にさせる。
ただ現実の世の中ってのは、この映画に描かれるほどは馬鹿じゃない。いくらなんでも実際に人を射殺した事が明らかで、誘拐殺人まで犯した男が、証拠不充分で無罪放免ってことはないでしょう。今の世の中で、人権ってものがそこまで尊いものとされている気はしない。政治的にも経済的にも背景のない奴の権利なんて、もっとぞんざいな扱いではないか。運用面で格差のあることが、社会のより本質的な悪だと思う。だから私には、この映画は現実を過大評価していると思える。あるいは私がPUNKS(チンピラども)に同情的過ぎるのだろうか。
70/100(03/10/18記)
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