[コメント] 華氏451(1966/英=仏)
シは書物のシ。
管理された人々の、深い思考や感情の起伏のない日常・・・。これって今の自分でも充分あてはまるような気が。
管理された未来社会の描き方は、低予算のせいもあってかレトロフューチャーがいいかんじ。原作にあった「海の貝」ラジオが省かれていたのは残念。
本を神格化していくストーリーは、作家ブラッドベリの独壇場だが、あまり本を読まないバカな自分には「ブックピープル」となった異端者たちはわかりにくい。一生図書館に籠もる人生と街や海・山で過ごす人生どっちを選ぶか?って感じかな。しかし、自分の記憶の蓄積の中には、本や映画、テレビなどから得た様々なイメージが実体験と混在して残っているのも事実。脳が受ける刺激の情報としては同じように重要なのかも、と思ってみたり。
モンターグの家に集まった奥さん連中の一人が、過去の感情を呼び覚まされてパニックになるところが一つのキモだろう。モンターグも本を読んで素晴らしさに打ち震えるシーンが欲しかった。
余談だが、以前、千葉から千城台に行くモノレールに乗ったとき、同じ懸垂型で区画整理された住宅地と雑木林を抜けていく沿線の風景になんだか映画みたいで感動した覚えがあります。
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