[コメント] 突撃(1957/米)
撮影は完璧。美しい硬質のモノクロ。見事な縦構図(ディープフォーカス)。効果的かつ節度を保った移動撮影。こと撮影に限って云えば、これを超える戦争映画はなかなかないのではないだろうか。
全篇にわたって訴えられているのは確かに戦場の狂気や戦争の愚かしさ、あるいは卑劣な士官の姿といった反戦的メッセージだろう。また、ラストシーンからヒューマニズムを見て取るのも観客としてはしごく当然な行いである。しかしながら、それらの正論を「非人間的」と云ってしまいたいほどの完璧な画面で語るキューブリックの不遜さときたらどうだろうか。今なおキューブリックが映画史に屹立した存在でありつづけるのは、この痛快なまでの不遜さによる。
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