[コメント] ミシェル・ヴァイヨン(2003/仏)
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公開初日、名古屋駅前の映画館に、主演のサガモール・ステブナンが舞台挨拶。映画館はそこそこ埋まったらしいが、新幹線の駅でのお出迎えは、とても寂しいものだったそうだ。「クレオパトラ」の方も、名古屋では一館だけで、夜だけの上映だったし。どちらも結構面白かったと思うのに、ハリウッドのコミックものと違い、ほとんど話題に上らなかった。
ステブナンは、「ヘア解禁?」でちょっと話題になった『ロマンスX』という映画が公開されたとき、主人公の夫役で出演していて、全裸であんなことや、こんなことまでされていたのが印象深かったけど、残念ながら、エロの記憶ばっかりで、俳優の名前まで日本では浸透しなかったようです。
映画見た感想としては、やっぱりコミックだなってところ、それも欧米の。日本語「マンガ」とは違う。主人公のミシェルがいい人過ぎて、魅力に欠ける。ハンサムで、正義感が強く、誰からも愛され、まっすぐな人間。そんな悩みなどまったくなさそうな完全無欠すぎる男に、なかなか感情移入できない。で、こういう主人公が出てくる話の場合、悪役はホントの「悪いやつ」で、ただのバカ。
娯楽としては、結構楽しめたと思うけど、どうせならもっと「ブラック」になってもよかったと思う。まず誘拐するなら父じゃなく、姪でしょ。誘拐するほうも、あからさまに「私が誘拐しました」って正体を明かすなんて、本当にあさはか。で、姪を誘拐して、父親(ミシェルの兄)を脅し、「娘を返してほしかったら、レースで負けなさい!」と兄に妨害工作をさせる。僕ならそうする。
で、仲間が死んだ事故の原因が「ライバルドライバー」の仕業になってたけど、それも、そんな証拠が残るような幼稚なものじゃなく、あくまでもレース中の事故で、という形でないと。ル・マンのレース中でもヴァイヨンチームの車は爆発したんだから、事故で爆発したのが「結晶のせい」ってのは、すっごく不自然。ライバル・ドライバーがリードチームで走るのも安易。「ヴァイヨン」Vs「リーダー」Vs「ライバル」の三つ巴にすれば、もっと話が膨らませられるのに。
あと、「その他キャラ」が意味不明。パーティーに登場した「ドレスの似合う田舎もの」の美女二人が、突然最後になって出てくるし、記者の女が、もっと本筋に絡んでくるかと期待したのに(ルースの野望をスッパ抜くとか、「取材」と称して、リーダーチームに潜入し、誘拐された父の居所を探るとか)。
もうすこし、脚本しだいで面白くなりそうなのに。残念。「2」を作るなら、ハリウッドの脚本家か、日本の漫画家に脚本を依頼してください。
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