これは、運ちゃんとメンヘラちゃんの最初の車中セックスにおけるやりとり。この時点ではいきなりトラックに乗ってくる女(まあ、ひとり旅もつまらんからちょっと乗せてみっか)に愛情なんてない。でも彼女は一目惚れ状態。ここで「キレイ」と「綺麗」の温度差。観てるこっちは。

運ちゃん結婚してるんだって即座に嘘バレバレ(笑)男のオレでも分かるんだから彼女もすっかりお見通し。ストーカー話も余裕で聞き流してる(その辺りの表情がリアルに絶妙) 彼女、意外に聞き上手だ。

でもそんなの彼女にとっては些細な事だったのだろう。触れたい、触れさせて、いいよ、でもオレも触れたいよ、いいよ、触れていっぱい(下(　ﾟﾛﾟ)!! ブラ紫かよ！(笑) 流れに身を委ねる彼の柔軟性もまた彼女にとっては心地よかった。

終盤のちょっと寒々しい定食屋でのふたりの会話が核心だった。 運ちゃんは食欲旺盛で飯かっ込んでる。彼女はまた食べたら吐いちゃうって。だから食べるの躊躇してる。運ちゃんが言う「でも食べなきゃ吐けないでしょ」 だからといって自分も食べない、食べれないじゃないのがすごくいいなと。 お互い自分を保ちつつ、でも寄り添うのが最良。なかなか難しいけどね。

この映画は、それに対する１つの解答を示してくれた。

たぶん、彼は彼女を受け入れようと「努力」した。でも恋愛ってそうじゃないよねって。でもありがとう。と、彼女。

最後のお別れは、彼女からだったと思う。それに「乗った」彼。終始優しい男だった。→少なからず彼女の自立に貢献した。 数日間の出来事だったけど、お互い寄り添えた貴重な経験。 それがトラックの狭い空間なんだからより濃密だったね。

結果としてふたりは対等だというスタンスも好印象。