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[コメント] キートンの鍛冶屋(1922/米)

構成上のストーンフェイス、意表のつき方に細かい工夫が施されたSO-SO作品
junojuna

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

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 馬鹿げていることの神経質なまでのキメ細かさはキートン独特の至芸ともいえるコミックの徹底ぶりを褒むべき作品である。冒頭のロングフェローの抒情詩「村の鍛冶屋」を挿入するあたりの仕掛は、役者キートンさながらの構成上のストーンフェイスを表現しており、そのギャップによって生まれる世界観が、作品の中身と器の同一性を得て、キートンのスタイルが明確なものとなっているところは注目である。作品中、気障なプレイボーイの高級車を、しょっぴかれて戻ってきた親方のジョー・ロバーツとキートンの追いかけっこの末めちゃくちゃに壊してしまうところ、お宝クラッシュ系コミックのパイオニアとしての功績は価値ある仕事であった。また、終盤馬車に乗って逃げようとするキートンだが、馬と馬車がつないでなかったために、走り出した馬にひきずられていくシーンは、後にボブ・ホープジェリー・ルイスらに継承される定番ネタとなったが、彼らはスタントマンを起用してそれをパフォーマンスしたのに対し、キートンは自らの身体を張って引きずられるという、これもやはりパイオニアとしての存在感、芸人キートンの矜持を伺えて感動的である。全体的にはややおとなしめの印象だが、オチに対するもう一声的な粘り強さも、キートンの気骨を感じる相当な作品であった。

(評価:★3)

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