[コメント] 女体(1969/日)
観る前からだいたい想像はついていたが、この作品は『女体』等という気取ったタイトルにせずに、「ルリ子と保造のキ●ガイフェスタ1969」。もしくは、「ルリ子と保造の悶絶だよ、人生は」って、タイトルにするべきだな。 ['06.10.27新文芸坐]
もう、浅丘ルリ子が全編にわたって、山の天気のようにコロコロ気分が変わり、踊り狂い、悶えまくる95分。
増村保造といえば'50年代後半〜'60年代後半くらいまでは愛と自我を貫かんが為に狂気へと至る女の姿を、その絶妙なバランス感覚とギリギリの緊張感で数々の名作を生んだが、'70年代直前位から何かのバランスが崩れたのか狂気を通り越してコントに見えてくるようになってしまう。
その過渡期ともいえる時期の作品。
この時期を経て、『スチュワーデス物語』『少女に何が起ったか』などの大映ドラマへと行くんだなぁ。
まぁ、あれは演出じゃなくて脚本だが。
でも、「アホか」とか「コントかよ」と切り捨てられないだけのテンションを持続させる面白さは、やはりさすが。 あぁ、やっぱり増村は癖になるw
自業自得な破滅的ラストは、林光による物哀しく美しい音楽によって、文芸作品に見えてしまうから不思議。
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