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[コメント] 男たちの挽歌 III(1989/香港)

ストーリーはともかく、銃の描写が無茶苦茶リアル…って、おい。これ、ひょっとして…
甘崎庵

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 「挽歌」シリーズと銘打っているが、本作の位置づけは一話の前の話。だから主人公は一話で死んでしまったマークで、しかもまだ脚も怪我してない状態で登場する。むしろ外伝と見た方が良いようだ。

 本作がヴェトナムで撮られたのは、何でも香港では銃の規制が大きいから、その規制が緩いヴェトナムを舞台に選んだとの事だった…しかし、前2作であれだけの爆発やら銃の乱射やらやっておいて、どこが「規制が多い」だよ。と、半ば呆れながら(それでもワクワクしながら)、本作を観た訳だが…

 やっぱり監督がジョン=ウーからツイ=ハークに変わったのが大分影響が強い感じ。前2作はひたすら“漢”の闘いを描いていたのに、本作では女性を登場させたことによって、普通のアクション映画になってしまった。それが極端に悪いと言う訳じゃないけど、やっぱり「挽歌」シリーズと銘打つにはちょっと役不足っぽい。ウーの凄さというのを改めて知った気分。

 ところで時任三郎はなんで出したのだろう?日本人で出るなら意味があるんだけど、香港人役だしなあ。結構格好良かったから良いか。ユンファは相変わらずのクール&ホットガイぶりを見せるが、追いつめられる背景が足りないから、個性が少々無くなった感じ。女性にここまでやらせるか?と言うシーンを生身で行ったムイの方が凄く見えてしまった。

 ただ本作の売りはドラマではない。さすがに銃撃戦をやりたいって事だけに、それだけは派手だった。って言うか、思わず「うおお!」と声が出てしまったのが一カ所。

 劇中M16を乱射するシーンがある。M16はメジャーな銃だからは他の映画でもよく出てくるのだが、本作の銃の撃ち方はひと味違った。なんと銃側部にある排莢口からも火花が散っているのだ(M16の排莢口には怪我防止のためストッパーが設けられているのだが、金属の空薬莢が激しくそこにぶつかることによって金属同士がこすれて火花が散る)。一瞬、「おお!ここまでリアルにするか」と思ったのだが、ふと考えた。充分に金かけたアメリカの映画でさえ、そこまでリアルにやらない。しかも舞台はヴェトナムだよ。そんな凝り方するか?…答えは一つしかない。あれ、間違いなく実銃を使ってるぞ!まさかとは思うが、下手すれば撃ってる弾も本物かも知れない。そりゃリアルにもなるはずだ。さすがに本物には敵わないよ。

(評価:★3)

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