[コメント] 美しい夏キリシマ(2003/日)
こんなにもひりひりとした肌合いの戦争映画は初めてだ。
グラマンは飛んできても空襲はなく、米兵は日向灘から来る来ると言われながら一向に上陸してくる気配がない。そんな一見すると長閑な田舎にも、戦争は確実に傷跡を残す。主人公である少年の心の傷は誰にも理解されず伝わらない。いや、登場人物の誰一人として他人と心通わせることのできている者はいない。そこには戦争が確実に影を落としている。
夏の強い陽射しに映える緑、美しき故郷の象徴である霧島。不具となって帰還した寺島進は、帰ってきて以来晴天ばかりだとぼやく。すべてが終わったとき、突如降り出す激しい雨。この語り口が素晴らしい。
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