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[コメント] キートンのカレッジ・ライフ(1927/米)

じゅうぶんに奥行きを取った縦の構図が画面の基本設計となっており、時おりの横の画面が疾走感を際立たせる。カメラ・ワーク/アングルも多彩で、傘で浮遊するシーンの高速度撮影の使い方もユニック。サイレント末期にふさわしい撮影テクノロジーの充実を感じさせる。
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ほとんどキートンの監督作のようなものだろう。一見キートンらしからぬ設定でありながら、自己言及的と云ってもよいほどキートン的な作品でもある。ボートの名前“DAMFINO”は『船出』と同じ。キートンが携えてきた本の名前“HOW TO PLAY BASEBALL”“HOW TO PLAY FOOTBALL”は(それがありがちな書名であることを差し引いても)『探偵学入門』の“HOW TO BE A DETECTIVE”を思い出させる。墓のラストカットは『警官騒動』。さらに終盤における見事な伏線の回収ぶりは『大列車追跡』を髣髴とさせる。ギャグの爆発力はキートンの諸傑作より数段落ちるが、それでもじゅうぶん見応えのある「スポーツ映画」だ。

(評価:★4)

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