[コメント] ラブ・アクチュアリー(2003/英=米)
「愛する」という言葉はひどく抽象的で、僕が持っている「愛する」という感覚と、あなたが持っている「愛する」という感覚には、きっと決定的なズレがある。
「恋愛映画に感動する」というシチュエーションは、観る人の「愛する」という感覚と映画のなかで描かれている愛のかたちが近似である、もしくはそうであると思い込もうとする情動だと、とりあえず言っておこう。
『ラブ・アクチュアリー』は愛にあふれている。これだけ様々なかたちの愛をつめこめば、どんなにひねくれた客でもひとつくらいはその人の愛の近似値に引っかかるだろう、という作り手のスケベ心が気にならないわけでもないが、そうはいってもよくできた恋愛映画ではある。ちょっと泣きそうになったし。
ひとは、他者と情的なつながりを持った瞬間から本当の寂しさに支配される。それでも人は 愛を志向する。成就するのかどうか、その結果はさして重要ではない。そのポジティブさにとにもかくにも元気づけられるのだから。
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