再見してわかった。

どうしてこの映画があの頃あんなに好きだったのか。それはきっと自分が当時、海を越えたところにいる人と遠距離恋愛をしていたからだったんだ。

なんて単純なのだろうと思いつつ。けれど、そういった状況の変化でどれだけ一つの映画に対する思いが揺れ動くものなのかということを実感できたことが、やたらと嬉しかったりもする。

幸福感はそのまま。でも、ちょっと理性的な感覚もプラスして。そして、あの頃よく口ずさんでいた歌を、久しぶりにそっと思い出してみたりする。

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♪緑さざめく　かの野辺に

われ立ちいでし　春をきく

去りゆく者の　影ばかり

深く映ゆるは　いかなるや

すみわたる空　におう風

揺らぐさんざし　あらせいとう

遠きうしおの　かなたより

われとこしえに　君を待つ

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