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[コメント] 花のお江戸の無責任(1964/日)

あまりにも重厚な時代劇ミュージカルだ。(05・5・22)
山本美容室

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
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 黒澤明の師匠である山本嘉次郎が監督したこの作品は、クレージー喜劇特有の軽さが欠けているように感じられた。

 クレイジーキャッツ映画は、基本的に「ミュージカル作品」だ。「ザッツエンタテインメント」の世界だと思う。この映画には「無責任数え歌」「馬鹿は死んでも直らない」「ジャンケン節」谷啓が歌う「生きていけないオレ」の4曲が入っている。

 せっかくの名曲なのに空回りして聞えてしまうのである。山本嘉次郎という人は谷啓によれば「ウンチク好きなインテリ」だったそうだ。

 歌舞伎の「助六由縁江戸桜」「幡随長兵衛精進俎板」「極付幡随長兵衛」「番町皿屋敷」「女殺油地獄」落語の「強情灸」がミックスされたストーリーは杉浦日向子級の素養がないと楽しめない。要するに、敷居が高いコメディーなのだ。

 団令子の花魁「揚巻」は品がありすぎた。藤山陽子の町娘はキレイすぎる。植木等の助六、谷啓の白井権八はどこか控えめで物足りなかった。

 「これが総天然色だ!」と言わんばかりの目の眩みそうな美術、衣装には意気込みが感じられたが、笑えないコメディーでは仕方が無い。

 メモ 1964年12月20日封切 併映作品 『三大怪獣・地球最大の決戦

    カラー/東宝スコープ/89分/2,436メートル/モノラル

(評価:★2)

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