[コメント] ロード・オブ・ザ・リング 王の帰還(2003/米=ニュージーランド)
映画を見終った人むけのレビューです。
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3年にわたって続いてきた『ロード・オブ・ザ・リング』もいよいよ最後を迎える。特に前作『二つの塔』では、「1作目は名作、2作目は普通」と呼ばれるジンクスを見事に打ち破ってくれただけあり、しかも前評判では「本作こそが最高の作品だ」という評判もあって、期待度は無茶苦茶に高まっていた。
…期待といえば、上映に先立ち、いくつかの希望があった。まず一つは原作ファンなら大抵思うことだろうけど、戦いの後をしっかり描いてくれているかと言うこと(原作では戦いの後で中編一編分くらいの長さがあって、重要なパートをなしているから)。二つ目はゴラムがどういった魅力ある演技を見せてくれるか。そして三つ目は、“渇き”というものをどれだけ表現できるか。原作での見所の一つに食事をするシーン(又かよ)があるんだが、食べるシーンだけじゃない。食べないシーンも重要なんだ。最後の戦いではフロドとサムは何も口にすることがなく、飢えと渇きで身体を引きずるようにして移動するのだが、それがどれだけ表現できるか。
この辺を念頭に劇場へ。
一言で言えば、やっぱり素晴らしい作品だった。少なくともこれだけ詰まっていて、3時間半に及ぶ上映で殆ど飽きさせなかったその手腕は褒め過ぎって事は無かろう(ちなみに今回私が時計を観たのは2時間を過ぎたところと、3時間を過ぎた時の二回)。
…素晴らしいのは素晴らしいのだが、しかし、前作を超えたかどうか…そこが問題。私にとっては明らかに前作の方が面白かった。本作はどうにも小骨が引っかかったような部分が多すぎる。
良い部分はいくらでも言えるが、概ね私が最初に思っていた部分はほとんどクリアしているし、そこに今回は友情の演出がとてもストレートに出しているのも好感度大。前作と較べ明らかに出番の減ったとは言え、ギムリとレゴラスのやりとりはやっぱり面白いし、これまで単にフロドにくっついてるだけだったサムが無茶苦茶個性出してくれているのも良し(サムの描き方に関しては原作よりも格好良かったくらい)。更に戦いのシーンの派手さって言うか、容赦ない描写も良かった。特に今回“けもの”が個性を出していて、牙で人間引っかけて放り投げるわ、容赦なく踏みつぶすとか、ホラー好きにはにやりとできる描写が満載(この辺はさすがにピーター=ジャクソン監督だ。原作通りゴラムがフロドの指を食いちぎるシーンもあって、それをペッと吐き捨てるのも、「おお!」ってな感じだった。幽霊戦士がわらわらと“けもの”に群がって行く様は昆虫パニックものを思わせるしね…ここで踏みつけられた人間を映さなかったのはせめてもの良心的部分?絶対やると思ったけどな(笑))。そして重要なラスト部分の描写もたっぷり時間を取ってくれている。
この辺は水準を超えていて、重要な部分に関しては殆ど文句の付けようのない出来なんだが、設定マニアを自称する私の中にはとても天邪鬼な部分があって、それがちくちくと自分自身の思いを刺してくる。
以降は、相変わらず細かすぎるが、気になった部分を。
最初の方から言うと、何故サルマンを出さなかったのか。クリストファー=リーの元気な姿を見るだけでも嬉しいんだから、ほんの一瞬でも出してくれれば良かったんだが。これは勿体なかったよ。
殆ど文句なしの圧倒的な戦闘シーンも、必ず最後に助けに来ると言うのがちょっとご都合主義っぽすぎて。それに前作の戦闘シーンではあれだけの集団作戦であるにかかわらず、個人個人にスポットが当てられているのが見事だったんだが、本作では蹴散らされる一方だったし…戦いってのは難しいなあ。
一番納得いかなかったのはゴラムの描写。前作ほど個性だってなかったのもちょっと残念だったかな(某サークルでは「ゴクリ」なるあだ名まで頂戴しただけに、彼への期待度は無茶苦茶高かったんだが)。何より、ゴラムの最後は、あれじゃ駄目なんだ!踊ってる内に足を踏み外して溶岩に落ち込んでこそゴラムだろ?それに落ちながら「いとしいしとおお」と叫んでくれなきゃ(私にそんなあだ名が付けられたのはこのシーンをあんまりにも思い入れたっぷりに話したからだった)。なんでだよ!(いや、細かすぎるのは重々承知だが)。
突然大鷲が登場するのは時間の都合上仕方ないんだけど、一言ガンダルフに「おお、あれはグワイヒアじゃ」と名前を言わせる部分を入れて欲しかった。
相変わらず慎重の低いホビットと人間の対比には注意が払われてるのは好感度高いのだが、今回ラスト部分で失敗。後ろ姿とか歩く姿は、あれは子供だと丸分かり。子供っぽい仕草が残ってしまっている(そこまで演技付けられなかったのは残念だ)。それと、メリーとピピンの二人は前作でエントと共に生活している内に、身長が伸びてるはずなんだよね。並んだらフロドとサムと同じ身長だったよ。
そういやリヴ=タイラーが最後に登場した時、いきなり顔が縦長になってしまい、「誰これ?」になってしまったのもちょっと(レンズのためだろうけど)。 概ね不満のないラストシーンも、フロドが書いてる文字が英語だってことで、やっぱり「え?」と思う。
まあ、この辺は全部どうでも良いこと。それに3部全部合わせた評価が「最高中の最高」であることには間違いが無し。
(評価:)
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