[コメント] ロード・オブ・ザ・リング 王の帰還(2003/米=ニュージーランド)
映画を見終った人むけのレビューです。
これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
しかし今回に限って、俺のイメージと違う〜と思った箇所がかなりあったことは否めない。やはりそれだけみどころが多かったということだろう。
○良かったところ
1.冒頭、温厚だった頃のスメアゴルのシーンから始まる。彼はいかにして指輪ジャンキーになってしまったのか・・・人の弱さ、人はいかに簡単に堕落するかをマザマザと見せつけられる。この映画に対する監督の覚悟を感じる。
2.総じてフロド一行の描写は良く出来ている。進むにつれて、彼らの顔、身なりがボロボロになっていくのも容赦がない感じで良い。
3.狼煙リレー。これが3,4回で終わるのかと思ったら延々と繋ぐんだよな・・・時間が押してるのに・・・と思いつつ感動した。
4.ゴンドール側の城壁破片攻撃。ウルク・ハイの大将のスレスレに破片がドーンと落下、顔色一つ変えない大将も立派だ。多分「二つの塔」の聖火ランナーのシーンと対になっているんだろう。
5.溶岩の表現がリアル。前作で洪水と来たら次は溶岩。アンタは円谷英二か?
6.じゅう、ナズグル大活躍。あからさまに「帝国の逆襲」のATーATのモトネタはこれだ!と言わんばかりのシーンはちょっとやり過ぎだと思いましたけどね。
7.サムワイズ殿大暴れ。画面左から星のガラス瓶と剣を構えて登場するシーンは燃えました。
8.黒門前の大カタストロフ。
9.ラストシーン
●ええ〜?と思ったところ
1.サルマン。てっきりここから始まると思ったのに。
2.あっさり引くエオウィン。「二つの塔」でエオウィンの「檻です。」というセリフが前倒しで入っていたのでいやな予感がしていたのだが、簡単にアラゴルンを死者の道に行かせてしまった。あの道がやばいというのは皆知ってるはずでは。アラゴルンも決死の旅という雰囲気じゃないし。
3.デネソール公が馬鹿過ぎ。いくらなんでもあれは酷いんじゃないでしょうか。威厳のある人物のはずなのに・・・。適役はやはりジャック・ニコルソンか?ギャラが高そうだけど。立派な人物がサウロンの力に毒されてだんだん狂っていく、自身もそれを自覚しつつもどうにもならず、廟の中に閉じこもり劫火の中で仁王立ち・・・曲がりなりにもゴンドールの執政だった者にふさわしい最後だと思います。彼もある意味指輪の犠牲者だったんです。
4.先陣を切って狂ったようにペレンノール野に突進するセオデン王の勇姿・・・なかった。
5.なしくずしに参戦する亡霊軍団。ゴンドール・ローハン軍はもう本当に追い詰められてさらに海賊の追い討ち、もうだめだ・・・とその時!てな感じでないと盛り上がりません。こうして見ると原作の語り口は本当にうまいと思う。
6.滅びの山での決着のつけ方が今一つ盛り上がらぬ。「いとしいシト〜」と叫んでくれないと。
7.戴冠式は短過ぎるのでは。ファラミアは何時の間に元気になったのか?ホビットたちに全員が土下座、じゃなかったオジギをするというのもどうかと思う。
いまさら言ってもしょうがないが、やはりシェロブは「二つの塔」に押しこんどいた方が良かったと思う。
しかしこの映画が世の時流に乗らず、超然としていたのは立派だ。この映画のヒーローはもちろんフロドだが、彼は全然活躍しない。いや、活躍はしているのだが一番地味な役回りだ。心の試練と言うべきか、ホビットというこの世界で最も無垢な魂が受ける試練。悲しみと喜び、悪の誘惑と正しい選択、挫折と奮起、人生のあらゆる精神の試練、冒険がここにはある。 それでいて、中つ国を救い、王ですら頭を垂れたにもかかわらず、フロドは幸福にはなれなかった。努力すれば報われるというセオリーを覆すこの皮肉な結末。それでも我々は正しいと思うことを為さねばならないのだろう。絶望的な結末に、例えようのない力強さを感じさせるラストは見事です。
(評価:)
投票
| このコメントを気に入った人達 (4 人) | [*] [*] [*] [*] |
コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。