[コメント] 25時(2002/米)
おそらく、原作の眼差しとスパイク・リーの眼差しとが良い具合に絡まり合った作品なんだろう。また、真のNYを描いてみせた功績は大きい。…闇の領域に身を染めることの代償。そして、彼を取り囲む人々の心情の変化。泣ける。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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グラウンド・ゼロの映像が映し出されるように、この映画は9.11の悲劇を描くことは止めなかった。そこに生きるモンティ、様々な人種によって形成されるニューヨークという大都会。収監までの25時間が、過去の出来事を織り交ぜながら語られていく。ニューヨーカーであるスパイク・リーだからこそ成せる業だろう。
現在が語られているかと思えば、次のシーンでは過去が語られる。モンティの心情のパズルを、鑑賞しながら組み合わせていくという展開に、決して飽きることはない。収監されることを忘れさせてしまう程で、ラストに進むにつれモンティの収監が近づくと、一種のショックに近い感情に襲われることになる。モンティの心情を緻密に描いた証なのかもしれないが…。
現実と幻は紙一重だということが痛々しいほど響く。ラスト、幻の光景から一気に現実に戻されてしまう。ハッと、同時に引き戻される自分がいる。…ほらね、やっぱり幻なんて、手に取れるすぐそこにあるんだわ…
収監される朝が来るまで、登場人物全員の思惑が動かずにいられないわけで…渦巻くわけで…。親友が刑務所に入るとしたら?それが親類だとしたら?まじまじと見せ付けられた。この映画で。感情が動かずにはいられない。良いのか悪いのか、自分にはわからないが、それが“何か”の機会になるんだろうな。ノートンもペッパーもホフマンもドーソンも、皆ね。
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