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[コメント] 誘惑のアフロディーテ(1995/米)

実は中盤ぐらいまでは、度々登場する、狂言回し的役割のギリシア劇の合唱隊(及びリーダーのF・マーレイ・エイブラハム等)が鬱陶しいことこの上なく、あゝ見るんじゃなかった、と思いながら見た。これは最悪のウディ・アレンじゃないか、と思っていた。
ゑぎ

 ところが、マイケル・ラパポート登場のボクシングジムのシーンが、リングロープの向こうに人物を配置した演出で、このあたりから、中盤は良くなるのだ。この場面に続いて、アレンとミラ・ソルヴィノがレストラン(?)の前で出会い、道を歩くのだが、このカットが、リングロープに呼応するかのように、手すりが印象的に使われる仰角カットで、これもいい。この2連打で、継続して見る気になった。カルロ・ディ・パルマのカメラは、ズーミングの濫発については気に入らないが、落ち着いた構図と色調の画面は悪くない。見終わって、矢張り最悪に近いことは間違いないと思いながらも、それでも、エンディングの「When You are Smiling」には心揺さぶられてしまっている。今回もまた、とても悔しい思いをした。

(評価:★3)

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