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[コメント] フィフス・エレメント(1997/米=仏)

すべてにわたって中途半端な感じだが,いろんな要素を無理矢理詰め込んだ”ごった煮”的な乱雑さが,この作品の魅力。
ワトニイ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

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この作品,いろんな映画やゲームで見たような設定をどんどん入れ込んで作ったような独特の世界観だと思う。ただし,それは決して深くなく,ある意味,かなり幼稚な発想のような…。最も象徴的なのが,5つのエレメントを決められた位置に置くと,ものすごい力を得ることができるという設定。

インディ・ジョーンズ』もどきの冒頭のエジプトのシーンに始まり,『ブレード・ランナー』を彷彿とさせる未来都市,『スター・ウォーズ』をはじめとする宇宙船の戦闘シーン,巨大な敵を前になすすべもない『インディペンデンス・デイ』のような設定…などなど,どっかで観たことあるなあ?と思うようなシーンや設定がてんこ盛り(笑)。

一方,登場人物も,それぞれが我が道を行くような設定。

ブルース・ウィリスはいつも通りグチをこぼしながらも戦うタフで2枚目半的なヒーロー,ゲイリー・オールドマンはちょっと凄みのあるキレた小悪党,クリス・タッカーは(その後の映画のキャラと同様)マシンガンのようにしゃべりまくるちょっとおバカでいい味出してるムードメイカー。一方,ミラ・ジョヴォヴィッチは野生味溢れる謎の力を持った美少女,イアン・ホルムは一見崇高だが,以外に抜けたところのある聖職者。

そして,これらの登場人物が,それぞれの要素(まさにエレメント!)を背負っている。

昔から伝わる不思議な力の秘密と謎の解明,迫り来る滅亡の恐怖とそれに対抗しようと努力する人類の姿,未知の能力を持った美少女とタフで2枚目半のヒーローの活躍や2人の間に芽生えた愛の行方,不気味だがちょっと抜けている悪党の野望と挫折,明るいムードメイカーが飛ばすギャグの嵐…。

このうちのどれか1つか2つでも,2時間の映画が1本くらい撮れるんじゃないだろうか?

結局,いろんな要素が詰まりすぎて,どれも中途半端になっているが,そこがこの作品の魅力だと思う。そこを理解できない人には,この作品はきついだろう。

(評価:★3)

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