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[コメント] あの夏、いちばん静かな海。(1991/日)

不器用な恋愛の主題、ゴミ収集業の背景及び全編にわたるカウリスマキ・タッチでもって、『パラダイスの夕暮れ』(1986)のモロパクリにしか見えないが問題ないのだろうか。それを除けばいい作品だが除いて観るのは難しい。
寒山拾得

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







保護者はゴルバチョフとか、対岸で意味なく海に転落する他人とか、らしい毒ガス系小ネタが全て善意の方を向いる。慎ましい佇まいのカップルが美しく、ガラ空きのバスで座らず立っている大島弘子真木蔵人がバスに乗せてもらえず走っているから)とBクラス6位のトロフィーが素敵だった。サイレント仕様は身障者使ったベタ泣かせの印象を遠ざけており、毅然とした真木の佇まいや、大島の両親を映画に参入させない配慮も効いているだろう。

ただラストは蛇足に見える。地道なリアリズム志向だから好感度大なのに、無理矢理寓話にしなくてもよろしかろうに。真木みたいないい奴はこの世にはいないさ、と云う含意なのか。

すでに集中攻撃を浴びているが、打ち込みシンセの貧しさはいくら貶しても構うまい(『HANA-BI』も酷かった)。キタノ・ブルーという褒め方はよく判らない。脇ではジャージ青年の小磯勝弥が感じよかった。

(評価:★3)

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