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[コメント] みんな〜やってるか!(1994/日)

観客が唖然としている姿を陰から見て、笑っているたけしが目に浮かぶ。これこそ、「たけしの挑戦状」。
Pino☆

 新しい笑いのジャンルを開拓するつもりだったのかもしれないが、この映画は、たけしの精神状態がモロに出ている。この映画の後、バイク事故が起きるのだが、この映画には何となく、その伏線が見え隠れしているような気がする。全体的に暗いトーンで、コメディとは思えない「狂気」を感じるカットが多々ある。

 この頃のたけしが、どの様な「笑い」を目指していたのかは良くわからないが、非常にオーソドックスなコメディというのは、絶対にやりたくなかったのだろう。普通のやり口でも、充分面白いモノは出来ると思うのだが、天才の思考がそれを許さなかったということなのだろうか?

 この映画以降、たけしはコメディらしいコメディには全くトライしていなのが気になるところだが(それでも、映画を作ってくれるだけで嬉しいのだが)、あの天才的な笑いのセンスを眠らせておくのは実に勿体ないと思う。

 ただ、この映画に関していえば、そのセンスが十二分に発揮されているとは言い難い。もっと言えば、お客にお金を払って見せるために作った作品とは到底思えない。TVドラマの「刑事ヨロシク」とか「学問のススメ」みたいなベタ路線のコメディを期待して映画館に行った自分としては、「たけしに騙された。金返せ!」の一言だった。

(評価:★1)

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