[コメント] イノセンス(2004/日)
お金がかかってる量が違うのか、今回の映像は技術的な興味から作っていったんだと思う。ただ、そのせいであるところでは香港、あるところでは大陸または台湾、更には日本、ヨーロッパとイメージの違うものが次々登場。
押井守という人は映像での散漫さを感じさせない印象があったのだけれど、地域を無視したオブジェクトの映画内での混在が今回は目立ちすぎたと思う。
もう一つのウリのCGとセルの融合は成功点と失敗点が混在する映像。成功点のレベルが高い故に技術を見せるという点でしか成功していない映像があるのは残念だった。
押井監督は技術を映像のために使うものと考え、技術自体のために映像は作らないという意味のことを言ってた人だから、この映像には疑問を感じる。とはいえ実験的要素が成功している部分には感動したし、失敗しているところも挑戦へのアプローチと熱意がこちらの興味をそそった。
しかし、『アヴァロン』でようやく実写でイメージの焦点が定まった映像を生み出せることになったのに、アニメでそれが逆に失われていくというのは・・・・
今回、押井監督が狙った絵はセルとCGをセルとCGの違和感を生み出しつつ、トータルとしてのイメージの焦点があるものだと思ったのだけれど。
今回のCGを見る限り、『アヴァロン』のほうがCGとそれ以外の部分の親和性が高い。押井監督は実写映画に更に挑戦するべきかもしれない。
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