[コメント] CASSHERN(2004/日)
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地上波で放送していて観ました。時間をおいて、今回で三度目。
最初、二度目と観た時に、なんて書いていいのかよくわからなかった。評価するのに時間がかかったのは、オリジナル「キャシャーン」との位置がつかめていなかったからかも。
私は、オリジナル「キャシャーン」の世代で、思い入れもある。「ガッチャマン」や「破裏拳ポリマー」と同じ、タツノコのシリアス路線の代表作だと思う。科学技術は万能でもなんでもなく、弱点があり、それをカバーするのは人間性ややさしさといった人の気持ちなのだ、というのが、どの作品にもどこかに流れている作品群だった。
そういう意味では、「CASSHERN」はそれを受け継いだものだと思う。たぶん、監督もオリジナル「キャシャーン」に思い入れもあったのだろう。NTTのCFでSMAPにガッチャマンさせたのは彼ですか?
PVやCFの世界で、監督がどれほどの評価を受けているのかは知らない。どの人のどのPVが彼の作品なのかも知らない。ただ「CASSHERN」も観る限り、斬新で面白い絵を作る人なのは間違いないだろう。この作品がいろいろと騒がれていたのは知っているから、それなりに高い評価を受けた人なのか、「売り」の多い人なのだろう。
それが敗因だったように思う。
思い入れがあって、それこそ子供の頃からいろいろと考えて考えてきたことだろう。ふくれあがったアイディアと培ってきた技術、そしてそれを形にするチャンス。きっとあとは刈り込むことが必要だったのに...
あれもこれも詰め込みすぎて、刈り込むことも間引くこともできずに、結局荒れてしまった花壇のよう。一つ一つはきれいなのに(絵の作りだけじゃない。役者も豪華でいい感じだったし)、俯瞰してみるとごちゃごちゃしすぎて、何を観ていいのかわからない。そんな感じでした。もったいないなぁ。こういうのは、プロデューサーのせい、なのかな? なんでもやっていい、そんな風に作らされたんじゃないか、とか邪推してしまう。初監督作品でこんなにお金も手間もかけられたのに、どうして引くことを誰も提案しなかったんだろう...
オリジナル「キャシャーン」世代から一言言わせてもらうと、主人公がロボット軍団と戦うシーンは、ほんとうに「キャシャーン」してて、うれしかった。戦闘モードのキャシャーンの主調音は「圧倒的」。それはちゃんと出てたと思う。オリジナルは「機械の体」ゆえに、だったのが、今回は「戦闘服」だったから? (だって、CASSHERNは、蘇っただけで普通の人、でしょう?)
あぁ、それからラストシーンは桑田次郎「エリート」を思い出してしまった。どうせなら、あんなにしてしまえばよかったのに(って、誰も知らないか....)
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