ホラ吹き親父の奇行も、中盤辺りになると新鮮味は薄れ、低調で退屈な作品という印象になりかけたのだが、ラストで印象がガラリと変わった。

　ストーリー的には、予想の範疇ではあったのだが、ラストへの盛り上げは、さすがティム・バートンだなと思わせるものだった。

　特に気に入ったのは、お葬式のシーン。５ｍの大男や下半身が繋がった朝鮮の美人姉妹など、全てが本当ではなかったにしろ、親父の話が全くの嘘ではなかったと分かるのに加えて、友人達が談笑する姿から、親父の人柄の良さが伝わってくる。できることなら、自分もこんな風に死にたいものだと思った。

　それでも、☆３止まりになったのは、ビッグ・フィッシュが気持ち悪かったから。何かＣＧ丸出しで、シーマンみたいなんだよね。色も真っ黒で不気味だし、あんなのを釣っても、俺はちっともうれしくないな。シーマン君、君は出る場所を間違えているよ。