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[コメント] ビッグ・フィッシュ(2003/米)

「事実を見て、それを別の人に伝えた瞬間、その事実はファンタジーに変わる。」 と言うように、ファンタジーの根源の様なものが解って来たような(?) 気が してきました。??(たぶん)
fufu

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
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監督が、アノ (シザーハンズの)ティム・バートンという事で 観る前から、ファンタジー路線まっしぐらな映画だとばかり思ってました・・ ですが、たしかにファンタジーの要素はあるにはあるのですが・・ ファンタジーの様で、とってもリアルな 親子関係を描いた作品だったのです。

…というか、ファンタジーの分量は、とっても沢山あるのですが・・ それは 父が語った大ボラのシーンであり、 タトエバ 「運命の人と会った瞬間、時が止まった」 と言った表現のように、 誰が語っても、言葉を "額面通り 映像化" したら、 こんな大ボラシーンになることは 間違いないと思います! 釣り逃がした魚の大きさが、だんだんと大きくなるようにねw

「事実を見て、それを別の人に伝えた瞬間、その事実はファンタジーに変わる。」 と言うように、ファンタジーの根源の様なものが解って来たような(?) 気が してきました。??(たぶん)

後々思い起こせば、エピソードひとつひとつに 込められた意味(メッセージ)がありました。 おそらく、父は ある種の寓話(教訓または諷刺を)込めて息子(達)に語って聞かせたんだと思います。 大ホラ話はたしかに大ホラ話なんだけど、 まるきりの空想(ファンタジー)ではなく、 現実(リアル)の見たことや体験が元になっているという部分が、と〜〜っても ミソだと思う。 ひょっとしたら、その人の"大ボラ話"を聞けば、 その人のベースとなる部分が見えてくるのかもしれませんね。

父の大ホラは、ある種ネガティブな話も、あるんだけど、 自分の死に方を知った故、今は死なない… とか 人の大きさは体の大きさではない とか… とてもポジティブなメッセージが込められていると思う。

私事ですが、反抗期の頃は、(例に漏れず)父親の言うことなす事に、 いちいち 反発していた自分がいました・・・・   うまく言葉では言い表せませんが・・   この作品を観て、、、 なんか 父の事が、わかったような気がしているのです・・・  それこそ言葉にした瞬間 嘘(ホラ)になってしまう気がしますが。。。

この映画は、ビデオでくり返し観たのですが・・ 深いです。。。。 結局、父(達)が言ってる言葉は、事実もホラも交えている訳で… うがった見方をすれば、「これが真実だよ」 と言われてる言葉も 実は、相手を思いやる嘘(ホラ)かもしれません。   そう考えると、この映画はポジティブにも受け取れるしネガティブにも受け取れる・・   (*冗談ですが、 牛乳屋が玄関で亡くなった話など、   それが事実を元にした大ボラだと考えたら、とっても ブラックですよねぇ・・(^^ゞ )   まさにティム・バートン監督の思うツボと言った感もありますが。 術にハマった感があります。

 …が、ひとつ思った事。 ティム・バートン監督の "根本"は、昔から まったく同じ事を語ってると思うのですが… シザーハンズ(*ぼく的には 殿堂入り名作)など、初期の作品は、暗く ネガティブな面の方が より表面的だったような気がします。 が、2005年の「チャーリーとチョコレート工場」でもそうですが、 よりポジティブなメッセージが表面に表れて来てるような気がしてなりません。

何か心情の変化が あったのでしょうか?

2006/07/23記

(評価:★5)

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