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[コメント] ふくろう(2003/日)

現代とは切実度がまるで違う50年前にやってれば結構面白い作品として現代にも残ったかも知れませんね。
甘崎庵

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 日本においては現役最長老の新藤兼人監督(この時点で91歳)により作られた、現代版“安達ヶ原鬼女伝説”。

 とにかく男の浅ましさと欲望。そしてそれを逆手にとってしたたかに生きる二人の女性が徹底して描かれるので、観ていて痛々しい(私も男だから)。なまじコメディタッチなだけに、痛々しさは更に増してる。

 大竹しのぶの怪演と開けっぴろげな伊藤歩の演技はどこか突き抜けて、狂気さえ感じさせられ、演技の巧さは充分すぎるほどだし、出てくる男達もみんな芸達者な者ばかりで、舞台劇風の演出は楽しめた。

 ただ一方、ここまでやるだけの“貧しさ”と“切実度”の演出があまりにもお粗末だし、同じ事が延々と繰り返されるだけというのは、映画にしてはメリハリが無さ過ぎ。ラストも強引。

(評価:★3)

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